ロジクールのC310は、一番安価なC270の2倍近い売値で扱われています。
しかし仕様を見ると、性能差がほとんどありません。大きさも重さもほとんど同じです。
しかもC310の発売日はC270の発売日の2年近く前です。
なぜC270が発売された後も、C310が現行製品なのか?
それは以下の2点の差が意外に大きいからです。
- C270の静止画300万画素(2048x1536)に対し、C310は静止画500万画素(2560 x 1920)。
- C270の画質補正機能 RightLight 1 に対し、C310は RightLight 2。
ここで「RightLight2」機能について詳細に説明しましょう。
RightLight2はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実現される機能です。
主な役割は、
- 顔を認識してそれに合わせて感度を決定する。画面全体の中で極端に明るい場所・暗い場所があってもそちらに合わせず、顔を基準として明るさを調整することを優先する。
- 暗い場所では感度を上げるが、これによってノイズが目立つ場合は、フレームレートを遅くして感度を上げながらノイズも目立たせない調整をする。
- 暗い場所で画面の中に色合いの鮮やかな部分があるとコントラストの自動調整をするが、これによってノイズが増えてしまう場合は、色の飽和度を下げて、コントラストの強いシャープな画像を再現し、ノイズも大幅に低下させる。
の3つです。
ほとんどのウェブカメラは画像全体の光量を測定するだけで、フレーム内に明るい窓や照明器具がある場合にはそちらにあわせてしまいます。結果として顔が暗くはっきりしないようになってしまいます。
RightLight2をonにすると、フレーム内の顔を識別して、顔が暗すぎるときはその輪郭が明瞭になるように画面全体を明るくします。顔が明るすぎるときはその輪郭が明瞭になるように画面全体を暗くします。
また、フレームレートの自動調節も行います。
webカメラに限らずカメラは暗いところで感度を上げると、被写体は明るくなるかわりにノイズが発生してしまいます。
これを防ぐにはフレームレートを落として(シャッタースピードを遅くして)光量を増やすしかないのですが、RightLight2がonならこれを自動で行ってくれます。
さらに暗い場所で鮮やかな部分がある場合は、コントラストとシャープネスを自動調整します。
「RightLight1」も2同様にハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実現される機能です。
ですが、主な役割は
- 明るさの自動調整
- 色合いの調整(肌色部分)
であり、RightLight2よりはずっとシンプルな画質補正なのです。
RightLight2を搭載しているロジクール社のwebカメラ一覧
C920 / C910 / C615 / C525 / C310
RightLight1を搭載しているロジクール社のwebカメラ
C270
C270はあくまでもコスト重視で敢えて画質補正をRightLight1のみにしたものであり、これこそがC310が現行販売されている理由なのです。
以下の方にはC270よりもC310がお勧めです。
- 照明条件が良くない環境でビデオ通話をする方
- あるいは静止画メインで使う方