ロジクールの法人向けモデル HD Webcam Pro C930e で採用されたことで注目されている ”H.264/SVC” エンコーディングについて簡単に説明します。
SVCは ”Scalable Video Coding” の略です。スケーラブルというからには何かの量が可変であるということですが、どんな規格なのでしょうか?
答えから書いてしまうと、H.264/SVC規格は 「ストリームの中から画像の一部だけを取り出せるようにしたもの」 です。これによって通信環境が不安定な場合でもブロックノイズの発生を極力抑えることができます。
H.264は送信側が送り出したデータを受信側が100%受信して、動画として組みたてなおして再生する事を前提に作られています。
パケットロス等が発生して100%受信が不可能な場合は、ブロックノイズが発生します。
これに対し、H.264/SVCでは一部だけ取り出せる形で配信します。
受信側は、自身の性能不足やパケットロス等で取りこぼしても、データの一部だけを拾い出して再生します。
H.264とH.264/SVCの違いが一目でわかる動画がYoutubeにありました。ブロックノイズが発生しにくい動画になっていることが解ると思います。
C930eはカメラの中にH.264/SVCのエンコーダーを内蔵しているので、USBを通してPCに映像が送られてきた時点ですでにブロックノイズに強いフォーマットとなっていると思われます。